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新企画|就労インタビュー vol.1

PJPPの新たな試みとして、委員会メンバーが企業の人事担当の方や、障害者雇用の担当者など社会の一線で働く方へ、インタビューを行うことといたしました。

インタビュイメージ

 

記念すべき第1回目は、某大手企業にお勤めで、ご家族にPD患者がいらっしゃる

鶴田芳樹さん(仮名)にお話を伺いました。

(※個人情報保護のため、企業名、個人名は伏せさせていただきます、予めご了承ください)

4月の春らしい気候のとある日。

鶴田さんと委員会メンバーにてインタビューを行いました。

メンバー皆鶴田さんとは面識もあり、和やかな雰囲気の中zoomを活用してインタビューを行いました。


 

Q.障害者雇用での取り組みは?

A.障害者雇用ルールにあわせて、グループ内に特例子会社を設けています。
ただ今回のプロジェクトの目的と言えるところと若干違いがあるのかな?と。
業務内容は、本社及び支社の定期清掃、名刺の印刷業務、会議議事録文字起こしなどをやってくれていました。社内で「使ってくれ(※)」という指示があったので、子会社に依頼しています。

 

Q.特例子会社との接点はありましたか?

A.接点は特にありませんでした。
ダイバーシティ、インクルージョンとか・・・そういう考え方の企業の組織や在り方とは業務上には、なっていないように感じています。

 

Q.普段の業務の中で障害を持つ人はいましたか?
また、障害者雇用に対する管理・指導の職掌は人事部ですか?

A.(見た目にわかる障害者は)本社で見かけたことはありません。(聴覚障害者は)1人いたとかそういうレベルです。
そうですね、(職掌は)人事です。病気とか障害がある方と業務をどこまで取り込んでいくか、は人事部が決めていました。

 

Q.就労中に難病を発症したり、障害者となった場合、社内でどこまで把握していますか?

A.データはとっていると思います。人事・労務管理の面で必要ですから。
例えば健康保険組合・衛生管理義務、という観点では必要なデータですよね。
但し、業務内でのうつ病発症社員のデータなどはとっていますが、本人から報告がない限りは(指定難病受給者となっていない、癌を発病したけれども業務に支障がない、などの情報は)個人情報と紐づいていることもあり、データはとっていないのでは・・・
正直、私は理解していなくて把握し切れてはいないですね。(難病患者や癌患者等の)社員について追いかけてデータ(個人の健康や就労に関する機微情報)を取ることに、会社として取り扱うリスクを上回るインパクトがないからデータの蓄積はしないのではないでしょうか。
障害者雇用達成率など国に提出する必要がないものは取る必要がないですよね。
あと、話は変わりますが、女性管理職登用についてもSDGs目標5番(ジェンダー平等を実現しよう)にマッチしているとかそういうことにも活用してないですね。今、企業って、SDGsやジェンダー疲れみたいになっています。
SDGsの目標5番(ジェンダーの平等を実現しよう)について、5年10年やってきて、女性管理職を多く登用し一定の成果を果たしており、もう当たり前のものとして一般化しています。ここにきて、さらにアピールはしなくてもいいかな。と。
ですから、企業も社会もそういうアピールに慣れと飽きが来ていますよね。
「ジェンダー」とか「働き方」という言葉は使い古されてる感じがします。
実際に達成しているのか?という点は別の論点になりますが、最近はジェンダーにおける平等さは薄まってきていますね。男性差別だ!と言われるようにもなってきたりして。
企業は次のダイバーシティ、インクルージョンの方向性を探しています。
今って、「ジェンダー」とか「働き方」という言葉は使い古されてる感じがします。

 

Q.難病患者には障害者手帳を持っていない方も多く、障害者雇用として就労することが難しいです。企業理念には、例えば、「平等」とあるのに、平等に働けないことについてどのような考えですか?

A.誰もが病気になるし、患者になり得ますよね。企業は外に対して平等とか言うけれど、実際にオフィスで働く人にはそういう視点は薄いですよね。机上で考えたことって、案外社会に通用していないですね。

 

(委員会)QOLとお医者さんは言いますが、「体が動くこと」が果たしてQOLが上がることなのか・・・

お医者さん自身は深く考えてないですよね。体が動かなくても生活の質は大切なのに。

(鶴田さん)そうですよね。リアルを考えて欲しいですよね。

 

Q.ジェンダーもSDGsも社会のお題目と化し、本来の役割として、一人一人の働きやすさ、に繋がっているかというと、そうでもないということがわかりました。
失礼ですが、特例子会社の件も「使っている(※)」という感覚があるように感じていて、障害者とともに働くということのハードルの高さを感じています。
「共に働くこと」についてどうお考えでしょうか?

A.同じ組織の中にも、働いているときに病気になった方もいます。昔の上司とか・・・
精神疾患や難病を患った方は、マネジメントからまず外されます。
会社が一方的に外すことはできないので、本人の希望に合わせて、負荷のないところにご本人を回していきます。
上司は1年休職して、半年マネジメントしたけれど、やはり難しく、内勤に変わりました。
一人、マネジメントに残った方がいらっしゃいますが、その方が特殊といえば特殊な例、かもしれないですね。

(委員会)どのくらい、本人の希望に沿っているか、は大事ですよね。
会社から業務内容は提示して配置換えを行うということはあってはならないことですよね。
聴覚障害の方同士が手話で闊達に議論している姿を見ると生き生きしてますし、組織にバラバラに配置するよりも障害を持つ人を集めた方がいいのでは?と感じていますがいかがでしょう。

(鶴田さん)DMM.comによる障害者雇用のお話へ。

(次回は、DMM.comの事例をお知らせします。)

 

Q.今はハードルが高い話ですが、今後、障害者がいようといまいと、働きやすい会社を作るにはどうお考えですか?

A.雇う側は、「どの業務ができるのか?」を担保していくことが現状として最優先事項です。健常者と変わりなければ、普通採用で構わないかと思っています。

 

Q.では、就職した後に、病気になると(例えばPDを発病するなど)、最初は皆と同じように働けますが、その先、業務の遂行能力が低下した場合は?
できる業務の最低限を担保されなくなった場合は?

A.会社という組織のキャパシティを大きくすることと、病気の理解が必要かと思います。
マイケル・J・フォックス財団の資料に、PDを発病したときに会社にどう伝えるか?という資料があって、それはとても参考になっています。子供にどう説明するか?についても年齢別に資料が用意されています。企業では真似できない資料の作り方ですよね。

 

Q.もし同じ会社にPDの人がいたら、一緒に働いていたいですか?

A.抵抗はないですが、仕事だと厳しいですよ!
やることやってくれたらいいし、成果を上げていたら、病気かどうかは関係はありません。
期日に納品することとクオリティを保っていたらそれでいいですが、顧客側がどのような反応をするかはわからない場合がありますね。なんていうかはわかりませんね。
障害者が持つ個性について顧客の理解を得る必要がある場合があるかもしれないですね。その点も織り込み済み、でないといけないですね。

 

Q.雇う側が「どの業務ができるか」から障害者を雇用するという観点でお話しいただきました。しかし、「共生」という観点だと考え方は逆で、障害を持つ方が「何ができるか、何が得意か」で業務を割り振るという考え方もあるかと思います。

その点についてはいかがお考えでしょうか?

 

A.そうですね、HowとWhatの逆転ですね。大きな気づきです。
企業や社会の考え方って、企業に対して人材は何ができるの?(What?)から考えて、箱を作って人をあてる(What)、という考え方が多いですね。
持ち駒(社員の個性)をみて作戦を考える(How)マネジメントは難しいですけれど、新たな駒(社員の個性)と可能性をうむために、対話を重ねて双方が歩みよって、業務範囲の中で障害や難病を持つ方に業務を任せる企業の心の広さが必要ですね。
障害者も健常者も、仕事を選択できるようになればいいですね。
障害を持つ方のサポートについては、会社がすべきことは、オンライン就業とか方法を見つけることはできますね。
どんなサポートが必要か?は業務内容や個人によりけりですが、誰にも起こりうることで(今日は体調が悪い、加齢による業務遂行能力の低下など)そのサポートについては企業としてできることもあります。

雇用側、雇われる側お互いの思いやりを持って、企業や働き方が変わるといいですね。

 

パソコン挿絵

1時間30分にわたり、鶴田さんとインタビューを行いました。

インタビューの中で、これはSDGsの5番で・・・と会話の中に出てくる点から、鶴田さんの社会に向き合う姿を感じました。

なぜ、障害者は特例子会社で障害者雇用として採用され、決められた業務はこの内容で、という線引きがされているのか?

そして、大手企業であっても、本社や社内で障害を持つ方、難病患者の働く場が安心して働ける場であると決して言える状況でもなく、障害者雇用は顧客や会社と「共に働く」というハードルが高いということも感じましたが、鶴田さんのような方が問題意識を持ち、現状を把握し、会社を変えようとしている姿も知りました。

当事者自身も自分で担保できる技術やスキルも必要で、クオリティを保つ工夫についても検討すべき事項です。

私たちができることは果たして、何でしょうか?

 


(※)また、後日文字を起こして、鶴田さんとHPの掲載について打ち合わせをさせていただいた時、「使ってくれ」という言葉について、お話を改めて聞かせていただきました。今回のインタビューで鶴田さんは「(上司が鶴田さんへ)企業の仲間として率先して、積極的に使って欲しい。」という意味合いで「使ってくれ」という言葉を使っています。インタビューの中で私は、「(義務の一部として)使ってあげないと」という意味に受け取っていました。

会話の中の受け取り方で、お読みいただいた皆様とも鶴田さんとも、誤解が生まれる可能性があることを感じました。

もしかすると、日々の会話の中でも違った見方で言葉を受け取って、落ち込んだり悲しくなったりしていることももしかすると、あるかもしれませんね。

コミュニケーションのあり方についても考えさせられた機会となりました。


 

改めて、鶴田さん、ありがとうございました。

次回はDMM.comの事例について掲載いたします。お楽しみに。

 

 

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