障害者が働くことをテーマとしたオンライン配信イベントレポート
〜Job Promotion Story’s 第1回障害者就労促進への企業の取り組み〜
2021年8月28日(土)に開催されました下記のイベントについてレポートします!
ご参加いただいた方、ウチダシステムズの皆様、誠にありがとうございました。
【内 容】障害者就労促進への企業の取り組みについて
〜株式会社 ウチダシステムズの事例から学ぶ〜
【出 演】岩田正晴氏(株式会社ウチダシステムズ 代表取締役社長)
山本 朗弘氏 (株式会社ウチダシステムズ福祉施設営業部 部長)
PD就労促進プロジェクト実行委員会
【参加費】無料
※zoomでの参加
【インタビューの一部を紹介します】
(※回答は岩田社長です。)
障害者雇用に取り組み、きっかけは?
・上場企業のグループ会社として障害者雇用率の達成のため障害者雇用に取り組まなければいけないと思っていましたが、労働局の立ち入りヒアリングがきっかけでした。
障害者雇用に取り組もうと、いろいろ当たってみたのですが、身体障害者は上場企業を中心にすでに雇用しているケースが多かったため、世田谷の福祉事務所に伺って相談し、知的障害の方を雇用することにしました。
障害者雇用に対する、経営者としての想いは?
・障害者の方に担当していただく仕事を考えるときに、単純作業と考えがちですが、当社は営業主体の販売会社なので単純作業の切り出しは難しかったです。
社員各自に自分の仕事の洗い出しをして、障害者の方の成長に合わせて担当してもらっています。
東京都からエクセレントカンパニーとして表彰された時の感想は?
・福祉事業所のリフォームなどを事業展開している当社では障害者雇用に積極的に取り組むには、相乗効果があると思っています。その取り組みが評価されたことは、嬉しいし、社員もさらに上を目指して取り組めるようになりました。
障害者雇用を取り組む前と後では、社員はどう変わりましたか?
・障害者の方の雇用する前に、全社員へ障害者を理解するための研修(講師:ジョブコーチ)を受けてもらいました。電車内で奇声をあげている方を見かける事があるかもしれませんが、知的障害者の方の個性として、全社員が研修を通して理解するようになっていきました。また強みも理解することが出来ました。例えば、打ち合わせで使用したアイデア出しの多量のポストイットを、集中して入力してくれたので、見直しなどで助かっています。
・障害者雇用として独自の取り組みはありますか?
知的障害者の方のお母さんと年に1回面談を続けています。親御さんが心配していることは、「もし自分たちがいなくなった後一人で生きていけるのか」ということです。
そこで当社では、親御さんの心配を少しでも解消するため、他企業でもあまり聞かないことですが、例えば無期限雇用や退職金の支給などの検討にも入っています。
私は障害者雇用に取り組むことは、彼の人生に責任を持つことだと考えています。例えば退職後の施設入居などまで考えて行動したいと思います。
ー先程、岩田社長はこういう想いがあり、障害者雇用に取り組んだとお話がありましたが、実際に障害者の方と働いていかがでしたか?
障害者の方と一緒に働く前に(障害についての)研修を受講していたので、スムーズに対応することが出来ました。実際、社員の中に溶け込んでいるので、アイドル的な存在になっています。
山本部長自身や周りの社員の方々におかれては、障害者の方と一緒に働く前と後では、どのように変わったのですか?
(山本部長)変わった点としては、社員が自分の仕事の洗い出しを実施したので、自分の仕事の整理、手放してもいいものなどが明確になっています。
(※回答者岩田社長に戻ります)
障害者雇用を取り組んで、ウチダシステムズの強みはどのように強化されたのでしょうか?
・私どもは、親会社の内田洋行の製品を販売に特化したグループ会社です。そのためお取引先のニーズを先取りする、「察する」能力が重要です。知的障害者の方と一緒に働くということは、この能力が強化されると実感しております。社員は彼が何を考えているのか、困っていることは何かなど必死になって、「察する」ことを実践しています。
最後に、お二人の「行動の源泉」って何なのでしょうか?
(山本部長)
私自身は、知的にせよ何にせよ本当の意味で「障害者の気持ち」にはなれない。でもその「親御さんの気持ち」には思いを馳せることはできる。お子さんの将来を案じている親のことを考えると、もっと多くの人の理解が必要ですよね。それが「障害者雇用に取り組む源泉」なのかなと思います。
(岩田社長)
単純なことですが「この会社の社員が好き、社員の成長を見るのが好き」なんですよ。
今は社員と会わなくても仕事ができてしまう時代になっていますが、「サザエさんを見ると、明日は会社で仲間と会える!」って思うような、この会社が培ってきた”風土”があるのでそれをさらに育てていきたい。そしてその風土の延長線上に社員の幸せがあると思う。障害者雇用もそういう会社にしていく好機としていくのが、経営者としての私に課せられたものなのかなと考えています。
【イベントアンケート結果はこちらから】(pdfファイルがダウンロードできます)